発育期の野球における肩・肘の怪我から学ぶこと

Sports  Medicine 228号に発育期の野球選手の投球動作による、肩肘にかかる負担について掲載されておりました。

ここで問題となるのは、ただ単に野球においてだけではなく、他のスポーツにおいて単一のスポーツを通年で行うことや、負荷をかけ過ぎることによる体への影響はどうなのか?という事です。

考えるポイント

①身体には発育の順番があること(一度に体が出来上がるわけではない)
②スポーツをする子供の発達、発育に個人差がある事
③投球動作だけでなく、繰り返しの動作が多くなる他のスポーツの場合は、他の未発達の部位に同様に負担をかける

野球における場合であると、最近よく言われる、投球数の制限だけでは、故障につながる原因を取り除くのに不十分だということになります。もちろん、投球動作の良し悪しだけでもありません。

2019年に発表された「野球選手の発育に伴う上肢分節の重量分布の変化ー肩・肘障害リスクへの考察ー(鳥居俊著)」によると、手部の重量のピークが先に来て、前腕、上腕、肩甲帯部(肩周り)の筋量の順にピークがずれていくそうです。すなわち、末端(手の先の方から)の発育が先行し、その影響から未発達である肘や肩に怪我が生じます。

また12歳ぐらいが一番、肩甲帯部(肩周り)にリスクが高くなるとも言われています。

そして、身長150センチ未満の身体的要因も肘の障害のリスクになるとも言われています。

特に考えていただきたいことは、未発達の部分(野球では肩や肘)に負荷をかけ過ぎず、発達した時にその子が持つ可能性を引き出すためにはどうしたらいいのか。投げない時期をただ単に設け、その分走らせると言う安易な考えでいいのでしょうか?

他の能力を伸ばすなどといった考え方を持ち、正しく運動をさせることの方が重要ではないでしょうか。

発育期の過負荷は他のスポーツにおいても考えるべき問題点であり、逆に言えば、その分の時間を他の能力向上にあてがう事ができる、伸び代でもあるのではないでしょうか。

Gradeur8ではそういった側面を考えながら、専門家によるマルチスポーツ指導、トレーニング指導を行っております。

柔道整復師 小杉(吉沢接骨院)

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